アンプラグドって、アコースティックって。年末になってくると、なぜかアコースティックギターをひく機会(依頼)が多くなり、ああ今年ももう終わるのかなと思い始める次第です。僕の場合はもう5年以上集中して鉄弦のアコギを弾いていないので、ナイロン弦のクラシックギター?のお話ですが。この相棒のギターとはクリスマス時期を過ごすことが多く、そのクリスマスの思い出とはあまり良い物はではないことが多いのです。ただこの子(ギター)自体は最高なんですが、僕の腕の方が・・
今年も相変わらずこの子をほったらかしにしていて最近久しぶりに弦を違う種類の物に替えてみたりして、練習も再開し始めました。リハとかで弾き始めたら、弦高は高すぎて左手はぼろぼろだし、右手の爪の手入れは適当だし、と行った感じで弦も細く弦高も低いエレキに慣れた体にはリハビリが大変で大変で。 この前の日記でエレキがアコースティックな感じで弾けるようになってきたと書いた気がしますが、逆にアコースティックギターはアコースティックな感じではないんですよね。ピエゾタイプのピックアップを通してプリアンプを繋いでPAから音を出していると、なんかスイッチを押しているようなシンセを弾いているような感じです。もうこの子は何かに繋いだ時点でアコースティックではない気がします。 いろいろな種類のギターがありますが、ナイロン弦のアコースティックギターで、その中でもフラメンコ用やラテン用ではなくクラシック用のギターが最も音の強弱やイントネーション、音色の変化を楽器として繊細に表現できる楽器だと思っています。同じアコースティックギターでも鉄弦の物は、もともと音量を稼ぐ為に開発された物でもありその分表現の繊細さという点では劣ります。 しかししかし、ピックアップをつけてスピーカーから出すサウンドとして見た場合、演奏者の立場から見たコントロール具合ではすべてが逆転している気がします。繊細にコントロールできる順がエレキ>鉄弦アコギ>ナイロン弦って感じに。 すべてが電気技術との親和具合や発展状況の違いとも、見る事が出来ます。 なのでナイロン弦ギターをとても楽しく弾いていても、プラグインしたとたんにとてもストレスフルな感じなんですね。最近は。欲を言えばすべてのステージ上で、いい感じのコンデンサーマイクをサウンドホールに向けてもらえる状況、または生楽器として最高かつすばらしいプリアンプがありハウらない楽器がある、というのが理想ではありますが(笑)。しかしドラム入りの場合もあり、いろんな状況でいろんなギターを使い分けながらがんばって行くしかない訳で。 そんな感じで考えてみると、最近はエレキにピエゾつけた物でもかなりのクオリティのアコギサウンドを出してくれる物があったり、ボディがなかったりヘッドレスの楽器なんかでもアコースティックとしてすごく良い物があり、これらの方が、大編成なときとかは適切だったりもするような気がします。もうそんな編成になってきたらアコースティックという本来の概念とかではなく、必要とされるのはもともとアコースティック楽器がもっていたサウンドに近い音色と、あと楽器の見た目だったり。 結局、見た目とそれっぽい音色ですよ。MTVアンプラグドっていったって、プラグさしてるし。アコースティックな感じの演奏限定のお店ですってのもいっぱいありますが、見た目と音量ですね、問題なのは。ジルベルトのボサノバだって最大音量でかければ極悪ですし、デスメタルだって微音量だったら可愛いものです。 仕事上仕方ないとはいえ、世間のイメージというか限定されたイメージのスタイルに追従するのも悔しいので、おいおい手を打っていかないとね。 まとめ 完全室内楽の場合。 精一杯よいクラシックギターで生演奏で響かせましょう。どうしても音を大きくしなければならない場合は、精一杯よいコンデンサーマイクで音を拾いましょう。 ボサや小編成のポップス、ジャズなど。 精一杯よいプリアンプの装備された、質の良いナイロン弦ギターを探しましょう。制作者によってはハウらないようなブレイジングを考案されている場合もあります。カッタウェイがあっても良いでしょう。 大編成やドラムがうるさい場合。 ボディがアコースティックな楽器では、よほど優秀なPAさんがいるか本人が熟達していないと無理でしょう。ゴダンとか、ホネギター(frameworksとかヤマハとかアリアから出てるやつね)で十分です。っていうかそういう楽器の方が、良い音がでますよ、多分。 投稿日時: 木 - 11 月 23, 2006 at 07:43 午後 |