SIXTH EDITION



今日はこの本について突っ込みたい。いや突っ込まざるを得ない。

僕は実際、渡米以前は現物を見た事も無かったが、ボストンにいってすぐに買い求める事になった。それから帰国するまで三年間見ない日がないほどお世話になった。慣れてくるとどの曲がどのページに載っているかなんかもほとんど暗記してしまったし、多分載ってるほとんどの曲を音源で聴いた事がある。特にボストンでのBerklee時代には、この本を通してジャムセッションでJazzを学ぶ事が多かった。

はい、ここまで読んでご存知の通りREAL BOOKでございます。この本は今まで各曲のライセンスのとれていないイリーガルなJAZZ曲集として世界中に広まっていました。元々はBerkleeの学校内から広がったスタンダード曲のメモ集が元になっていて、あの独特のフォントで書かれた曲集となりました。もちろん違法な本であるため何処でも手に入るわけではありません。ボストンでも数カ所で手に入るのみ、ニューヨークでも一カ所しか知りません。そしてボストン発の曲集であり非常に偏ったローカルな選曲になっております。だれもセッションで演奏しないようなコンテンポラリーで複雑なECM物などがふんだんにのせられており・・あと僕の印象ではジョーヘンとミンガスが多い気がします。で、たとえばニューヨークのセッションではこの本の曲を一曲もやらないときとかあったりして、最初は焦りましたが。

そんなこんなの伝説の本だったのですが、ある日ネットを見ていると十年ぶりに新しいエディションが出てるらしいという情報が。REAL BOOK 3のようなコンピューターで浄書された譜面になるらしいと数年前から言われていましたが、どうなったんでしょうか。よく調べてみるとAMAZONで買えるらしい。えっ違法な本だよ・・と思って検索するとあったよ。発売元は・・HAL LEONARD。ありえね〜。普通の曲集に成り下がったのか・・まあとりあえず、面白そうなのでポチっと購入。

ふつうにこの本がAMAZONなんかで買えるようになった事がまずびっくりなんですよね、ほんとは。で、今日その現物が届いた訳ですよ。見た目は今までの5thとほとんど変わらず。すこしページ数が少なくなったようで薄めの印象。ページを開くとまたまたびっくり。お〜すごいすごい。具体的にはぱっと見は以前と全然変わらず。よーくみると、ほとんどの部分がコンピューターでの浄書となっている。使われているのはFinaleなどで使われるJAZZ FONTです。(もともとこのフォントがREAL BOOKを真似て作られたのだから当たり前か)しかし文字部分は今までと同じ人が手がけているようで、手書きです。もちろんコード譜も手書きのため、JAZZ FONTの違和感もなく以前と同じような見た目でさらに読みやすくなっています。

あとざっと見た感じで気付くことは、曲の最後の方に書かれていた参考にするレコード名などが削除されていて、その代わりに全曲にちゃんと著作権表示がされている。ということで完全に合法な曲集となってますね。前のエディションからページ数が減ったというのは、許諾が取れなかった曲がいくつかあったということなのだろう。これもちゃんとしらべてから報告します。

ということでみなさん日本でも買えます。ネットで買えちゃいますのでJAZZやる方は買ってみたらどうでしょう。(12/12/2004現在、AMAZONでは売り切れです。)

http://www.halleonard.com/item_detail.jsp?itemid=00240221
アマゾン

投稿日時: 日 - 12 月 12, 2004 at 10:16 午後